設計のポイント~制御回路編~

目次

下記のタイトルをクリックしてください。

[1] PLC(シーケンサ)について

[2] PLC(シーケンサ)のスキャンタイム

[3] DC24V電源のメリット・デメリット

[1] PLC(シーケンサ)について

現在のほとんどの機械装置はPLC(シーケンサ)により制御され動いています。30年前はリレー(補助継電器)でシーケンス回路を配線処理で構成していましたがPLCが世の中に普及してしてから配線処理で構成していたシーケンス回路がプログラム入力で構成できるようになり複雑な機械動作が可能になりました。数千のリレーがPLCのプログラムで置き換え可能になったということです。
初めに登場した時期は主に自動車産業の工場で使われ、生産設備の制御盤の配線を変更する代わりにPLCのソフトウェアの変更でモデルチェンジに対応できるようにしたそうです。一般的なPLCのプログラミングはラダー論理というものを使います。「ラダー図」は梯子のような図形で表されPLCのプログラムを図面で扱うことができます。
PLCは入出力の組み合わせにより構成できると言う特徴があります。入力側はセンサ、リミットスイッチ(移動する装置や架台の位置を検出するセンサ)、温度計、複雑な位置決めシステムから得られる位置情報などあります。出力側はモータ、空気油圧シリンダ、リレー、ソレノイドを駆動できます。これらの入出力を必要な分だけ構成し使用できます。

【スキャンタイムとは】
PLCはラダー回路を毎回反復処理しており、この1回の処理時間をスキャンタイムと表記しています。簡単に言うとラダー回路を演算処理しエンド命令を受けて演算内容を入出力回路に出力する。またラダー回路を演算処理といった具合に繰り返します。 プログラムが小さくプロセッサが高速なら、このスキャンにかかる時間は数ミリ秒で済みますが、大きなプログラムでは数100ミリ秒と時間がかかる事があります。スキャン時間が長すぎると、工程状況へのPLCの反応が遅くなる場合がありますので注意が必要です。スキャンタイムについてもう少し詳しい説明をみる

【デジタル信号とは】
PLCで扱う信号はデジタル信号です。デジタル信号とは単純に「ON」と「OFF」(「1」と「0」)の信号で有限個の数値しか使えません。PLCで8本の信号線がこの入力に割り当てられたとすると、あつかえる数値は0~255となります。
例えばビット列”1000-0000″の場合、BINでは「128」となり総て“1111-1111”になると128+64+32+16+8+4+2+1=255となります。

【数の表現方法】
PLC内部での数の表現方法ですが、整数について分類すると大きくわけて3つあります。
HEX(16進)
BIN(10進表示)
BCD(2進化10進)

このうち10進表記にする際にBIN,BCDのふたつの形式があるのが厄介なところです。
例えば、ビット列”1000 0000″の場合下記のように表示されます。
[例]
BIN:「128」
BCD:「80」

BCDでは1桁に4ビットづつ割り振ります。(16ビットで4桁表示)16ビットは「1111 1111 1111 1111=65535」までですが、BCDは「9999」までしか扱えません。大抵の機器は当然BINで表記していますが、一部のPLCメーカはBCDを採用している例があるので注意が必要です。
[例]
「9376」=”1001 0011 0111 0110”で[8+1 2+1 4+2+1 4+2]

HEX(16進)はA,B,C,D,E,Fとアルファベットが追加され9の次がAその次がB,C,D,E,Fとなります。
[例]
ABCDF=”1010 1011 1100 1101 1111”で[10 11 12 13 14 15]

参考までに同じビット列でどのように表示されるかとまとめてみました。

同じBIT列による表示の違い

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[2] PLC(シーケンサ)のスキャンタイム

PLCはラダー回路を毎回反復処理しており、この1回の処理時間をスキャンタイムと表記しています。簡単に言うとラダー回路を演算処理しエンド命令を受けて演算内容を入出力回路に出力する。また最初からラダー回路を演算処理といった具合に繰り返します。最近のCPUプロセッサは高速なのでスキャンにかかる時間が短くなっていますがプログラムの大きさにより数100ミリ秒と時間がかかる事があります。このスキャンタイム対策としてファナック製PLCは第1レベルシーケンス、第2レベルシーケンスと言うように処理に優先順位をつけて処理する機能があります。第1レベルシーケンス部はパラメータ設定により1,2,4msecまたは8msecと変更可能で第1レベルシーケンスは設定された時間ごとに1回処理されます。第1レベルシーケンスに非常停止、フィードホールドなど停止に関係する信号をプログラムしておけば優先的に処理されるのでスキャンタイムによる時間差を気にしないでプログラムが出来ます。その代りに設定された時間ごとに1回処理が入るため第2レベルシーケンス回路が分割され、全体のプログラム処理と考えると時間が長くなります。スキャンタイム短縮にジャンプ命令を使用しするとジャンプ間のプログラムがジャンプ以前の状態を保持するため出力がオンしたままになるなど、弊害も多々ありますので注意が必要です。

参考図

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[3] DC24V電源のメリット・デメリット

引用:オムロン(株)のカタログ

大半の機械装置はDC24Vの電源を使用しています。使用箇所も入力関係から出力用電磁弁まで制御関係すべてにおいてDC24V化している機械もあります。半導体の進歩で直流安定化電源が安価になり、機器を小型化したことなどから制御電源にDC24Vが多用されるようになりました。直流安定化電源は制御方法からリニア方式とスイッチング方式があり主流はスイッチング方式となります。商用電源を入力として半導体の高速スイッチング作用を利用し、高周波電力に変換し所定の直流を得るもので小型・軽量で高効率という特徴があります。短所としてはノイズが発生することと寿命、交換が必要になります。DC24Vのスイッチング電源が寿命で交換することは稀なことかもしれませんが内蔵されている電解コンデンサの電解液が時間とともに蒸発が進み、静電容量の減少をはじめとする特性の劣化により寿命となるようです。カタログでは期待寿命8年もしくは10年と書かれており使用条件により変わるそうですが目安として10年程度で交換する方が装置維持のためには良いかもせれません。また容量の大きな電源になると強制空冷用ファンが付いている物がありファンの寿命は約3年程度で交換が必要となるそうです。メンテナンスを考えると容量を下げ強制空冷用ファンが付いていないものを複数使用する方法もあります。

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