ATC装置設計のポイント~ATC・マガジン構造編~

目次

下記のタイトルをクリックしてください。

[1] チェーンタイプマガジンとマトリックスマガジンの使い分け

[2] コラムマウント方式と別置式の使い分け

[3] 工具の取出し位置はマガジンのどこにするべきか

[4] 摺動抵抗の少ないチェーンレイアウト

[1] チェーンタイプマガジンとマトリックスマガジンの使い分け

ATC装置(マガジン)は必要とされる工具本数や交換頻度、マガジンと主軸の位置関係、許容フロアスペース等の条件にあわせてチェーンタイプマガジンかマトリックスマガジンのどちらにするか決定します。同じ120本仕様で比較してみましょう。

チェーン式マガジン
ホローピンタイプのエンドレスチェーンを使用したマガジンで、比較的少ない工具本数で工具交換頻度の少ない機械に向いたタイプです。
《長所》
・1ループチェーンで工具取り出し位置の割出が容易で構造が比較的簡単。
《短所》
・チェーンと装着工具すべてを旋回させるため、本数が増えると大きな駆動力が必要。
・呼び出した工具が交換位置から遠ければマガジン割出に時間が掛かる。
マトリックスマガジン
上下・左右に工具を整列し、搬送ユニットがマガジン内を移動し工具を搬送するタイプ。工具本数が多く、工具交換頻度が高い機械に向くタイプです。
《長所》
・工具収納効率が高く少ないスペースで多くの工具が収納可能。
・マガジン内で工具を搬送するユニットはサーボモータによる駆動で高速化が可能。
《短所》
・少ない本数にはコストメリットが少ない。
・NC制御軸数が増えるため制御回路の構築が必要。

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[2] コラムマウントタイプと別置タイプの使い分け

ATC マガジンの取り付け方法の違いでコラムマウントタイプと別置タイプの2つのパターンがあり、本機の仕様や設置スペースなどによりそれぞれメリット・デメリットがあります。横中ぐり盤を例に説明します。

コラムマウントタイプ
機械本体のコラムに取付を行うタイプです。横中ぐり盤においては稀なタイプです。
《長所》
・機械本体がATC位置まで戻る必要がない。よって非切削時間の短縮ができる。
《短所》
・コラムの剛性や早送り速度などはマガジンの重量を考慮しておく必要がある。
別置タイプ
マガジン本体をフロアへ固定するタイプです。マガジン収納本数が多い、ATCの頻度が比較少ない機械に向いています。
《長所》
・コラムの設計要件にマガジンの重量などを考慮しなくてよい。
《短所》
・工具交換の度にATC位置に移動しなければならず、非切削時間が増加しがちである。

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[3] 工具の取出し位置はマガジンのどこにするべきか

チェーンタイプマガジンのATC装置において、マガジンからチェンジャーユニット(ATCアーム)がどの位置で工具を取り出すのか、私どもエイ・テイ・シイではスプロケット上での取り出しを標準としています。そのポイントは・・・

取出し位置はどこにするべきか、、
【取出し位置が駆動スプロケット上】
工具取出し位置を駆動スプロケット上に設定する場合は、ATC装置のチェンジャーユニットの高さや、収納本数などの自由度に制限を受けるというデメリットはありますが、割出位置の精度が高いために安定した工具の取出しが可能です。また、長期間の使用によるチェーンの伸びの影響を受けない構造となるため、将来にわたって安定した性能を維持することができます。
【取出し位置が駆動スプロケットから離れている】
駆動スプロケットから離れた位置に工具の取出し位置を設定する場合は、チェンジャーユニットの高さなどある程度自由なマガジンのレイアウトが可能です。しかし、スプロケットから取出し位置が離れているためチェーンの伸びによるポットの割り出し(位置決め)精度への影響を受けやすくなります。

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[4] 摺動抵抗の少ないチェーンレイアウト

立型レイアウト
チェーンガイドがほとんど不要で摺動部の最も少ないレイアウトである。しかし、工具質量のアンバランスが旋回の駆動力に影響しやすい点はデメリットである。
*工具質量のアンバランスとはマガジン内の工具収納場所が偏っていること。
横型レイアウト
横型レイアウトに比べ工具質量のアンバランスが旋回の駆動力にあたえる影響は少ない。しかし、水平部に上下及び前傾防止のためのチェーンガイドが必要となるため摺動部が多くなり大きな駆動力が必要となりがちでる。
傾斜レイアウト
横型レイアウトと同じく傾斜部にチェーンガイドが必要となり摺動部が多くなるレイアウトである。
複合レイアウト
設置スペースなどの制限により立・横・斜めを複合したレイアウトである。工具質量のアンバランスの影響を受けやす、摺動部も多くなるためこのレイアウトを採用する場合には検討を重ねる必要がある。

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