ATC装置設計のポイント~マガジンチェーン編~

目次

下記のタイトルをクリックしてください。

[1] ツールマガジンのチェーンの選定

[2] マガジン旋回時の工具位相と干渉

[3] ホルダーのテーパー部の保護

[1] ツールマガジンのチェーンの選定

チェーンは搬送・駆動伝達の方法として多くの装置に幅広く利用されています。チェーンと聞くと身近にある自転車のチェーンを想像されると思いますが、ATC装置の工具マガジンに使用しているチェーンも見た目や大きさが違えど基本的には同じ構造です。マガジンに使用する工具搬送用チェーンはホローピンと呼ばれるピンとリンクと呼ばれるプレートから構成されています。ATC装置では主にチェーンのアタッチメントに工具を収納する部位を追加して構成する場合とホローピン部分に直接工具を収納して構成する場合に分類されます。このチェーンをエンドレスにつなぎスプロケットにて駆動し指定工具を選択するのです。一般的な駆動用チェーンと基本的には同じ構造ですが、工具を収納するため外形が大きくピッチも広く設定されているのが特徴です。

アタッチメント式チェーン

・通常駆動スプロケットに市販スプロケットを使用します。
・チェーン駆動と同様に高速での回転駆動が可能です。
・スプロケットコーナ部で工具ホルダ部のピッチが広がり、搬送速度が速くなるため注意が必要です。
・一方向の曲げしかできないため、多本数の場合大きなスペースが必要です。
ホローピン式チェーン

・専用スプロケットが必要です。
・チェーンピッチが広いため、高速回転には不向きです。
・ホローピンに直接工具を収納するため、重量工具でも位置が安定し搬送可能です。
・二方向の曲げが可能で、多本数の場合スペース縮小が可能です。

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[2] マガジン旋回時の工具位相と干渉

工具には位相合わせのためのキー溝が設けられており、ツールマガジンに工具を装着する際はマガジンのポット側のキーと工具のキー溝を合わせます。マガジン内の工具レイアウトに留意しないと工具同士の干渉が発生してしまいます。下記の図のように異形工具の場合はマガジン旋回時に干渉がないか十分に検証する必要があります。

マガジン内の工具レイアウト
【Befor】
チェーン式ATC装置の場合工具インデックスに伴いポットのキー向き(位相)が変わります。つまり、取り付けられた工具の移送も変化するため、異形工具の場合は隣接する工具の干渉が起こってしまいす。

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【After】
特に異形工具を使用する場合は工具配置上でマガジンへ配置する工具レイアウトを作成し隣接する工具に干渉が生じないようシュミレーションを行うことで工具干渉を避けることが出来ます。

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[3] ホルダーのテーパー部の保護

テーパ部が損傷している工具を主軸に装着した場合、加工精度に影響を及ぼす可能性があります。そのためテーパ部の保護は加工を維持するために重要な要素となります。

テーパー部の保護

工具をマガジンに収納する際にテーパ部にキズつけてしまわないようにマガジン収納状態においてテーパ部を完全に覆い、接触部には樹脂リングを設けます。こうすることでマガジンへ収納している間はテーパ部へのゴミの付着や損傷を防ぐことができます。

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